子会社株式の売却
- 親会社が子会社の株式を売却すると、当該会社に対する持ち分比率が低下する
- その結果、両社の支配従属関係が解消され、親子関係になくなった場合
- 当該会社は連結の範囲から除外される
- 売却後も親子関係が継続し、連結子会社となっている場合
- 売却によって減少した親会社の持ち分を減額させるとともに、少数株主持分を増額させる必要がある
- 売却による親会社の持ち分の減少額と、投資の減少額との間に生じた差額は、子会社株式の売却損益の修正として処理する
- 売却に伴うのれん/負ののれんの償却額も同様に処理する
- 子会社株式の売却損益の修正として処理するのれん/負ののれんの償却額は、のれん/負ののれんの未償却額のうち、売却した株式に対応する部分として計算する
- その結果、両社の支配従属関係が解消され、親子関係になくなった場合
- 子会社株式の売却時の少数株主持分の増加額は、「部分時価評価法」と「全面時価評価法」のいずれを適用しているかによって異なる
- 部分時価評価法の場合
- 少数株主持分は、子会社の個別貸借対照表(原価)をもとに算定されていることから、少数株主持分の増加額は同様に、子会社の個別貸出対照表上の純資産額にもとづいて計算する
- 時価によって評価されている資産・負債は、売却によって減少した株式に対応する評価差額の分だけ修正する必要がある
- 部分時価評価法の場合
- 全面時価評価法の場合
- 少数株主持分は、子会社の純資産の時価をもとに算定されていることから、売却によって減少した株式に対応する持ち分と同額だけ、少数株主持分を増額させる
- 子会社の時価発行増資などに伴って、親会社の持分比率が低下した場合にも、少数株主持分が増加する
- 親会社の払い込み額と、親会社の持ち分の増減額の間に差額が生じた場合は、損益として処理する
- 利害関係者の判断を著しく誤らせる恐れがある場合には、連結剰余金に直接加減することもできる
少数株主持分の増加額処理の具体例
例題4
- X2年3月31日、S社株式のの20%を420で売却した
- S社の純資産の部には、資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
- この期の純損益は0であって、利益配当は行われなかった
部分時価評価法の場合
- 少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 売却株式の持ち分比率 = 1,800 × 0.2
借方 貸方 S社株式 400 少数株主持分 360 土地 20 のれん 19 株式売却益 1
全面時価評価法の場合
- 少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金 + 評価差額) × 売却株式の持ち分比率 = 1,900 × 0.2
借方 貸方 S社株式 400 少数株主持分 380 のれん 19 株式売却益 1