投資と資本の相殺消去の具体例
例題2
- 連結決算日のX1年3月3日に、P社はS社株式の10%を190で取得した
- 同社の純資産の部には、資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
- この期の純損益は0であって、利益配当は行われなかった
- S社の資産および負債を時価評価したところ、取得原価100の土地の時価が180であった
- 翌X2年3月3日、P社はS社株式の80%を1,600で追加取得し、子会社とした
- 同日、S社の純資産の部には資本金1,000、資本剰余金400、利益剰余金400が計上されていた
- S社の資産・負債を時価評価したところ、取得原価100の土地の時価が200となっていた
部分時価評価法と段階法の場合
- 初回取得時における時価評価(部分時価評価法)
評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の初回取得持ち分比率 = 80 × 0.1借方 貸方 土地 8 評価差額 8 - 初回取得時における投資と資本の相殺消去(段階法)
少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.9借方 貸方 資本金 1,000 S社株式 190 資本剰余金 400 少数株主持分 1,620 評価差額 8 利益剰余金 400 のれん 2 - 追加取得時における時価評価(部分時価評価法)
評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の追加取得持ち分比率 = 100 × 0.8借方 貸方 土地 80 評価差額 80 - 追加取得時における投資と資本の相殺消去(段階法)
株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.8借方 貸方 少数株主持分 1,440 S社株式 1,600 評価差額 80 のれん 80
部分時価評価法(簡便法)と一括法の場合
- 支配獲得日における時価評価(部分時価評価法:簡便法)
評価差額 = (時価 - 取得原価) × 親会社の持ち分比率 = 100 × 0.9借方 貸方 土地 90 評価差額 90 - 支配獲得日における投資と資本の相殺消去(一括法)
少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金) × 少数株主の持ち分比率 = 1,800 × 0.1借方 貸方 資本金 1,000 S社株式 1,790 資本剰余金 400 少数株主持分 180 評価差額 90 利益剰余金 400 のれん 80
全面時価評価法と一括法の場合
- 支配獲得日における時価評価(全面時価評価法)
評価差額 = 時価 - 取得原価借方 貸方 土地 100 評価差額 100 - 支配獲得日における投資と資本の相殺消去(一括法)
少数株主持分 = (資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金 + 評価差額) × 少数株主の持ち分比率 = 1,900 × 0.1借方 貸方 資本金 1,000 S社株式 1,790 資本剰余金 400 少数株主持分 190 評価差額 100 利益剰余金 400 のれん 80