[ 第5章のテーマ ]
- 新成長事業をできるだけ速く、できる限り成功させるためには、どの業務を社内で行い、どの業務を業者やパートナーに委託するとよいのか?
- 独自仕様の製品アーキテクチャと、モジュール型のオープンな業界基準を採用する場合とでは、どちらが成功する可能性が高いのか?
- 非公開の独自アーキテクチャからオープン・アーキテクチャへの進化を引き起こすのは何か?
- オープン・スタンダードが現れた後にも、再び独自仕様のソリューションを採用する必要が生じることはあるのか?
コア・コンピタンス理論は、企業がすでに持っている広義の能力をいかに活用して多角化するかについてまとめたものである。コア・コンピタンス理論では、企業のコア・コンピタンス(中核的な能力)に結び付く業務は社内に残し、コア・コンピタンスと結び付かない業務については、外部の専門業者に委託すべきとしている。
コア・コンピタンスによる分類の問題点は、現在コア・コンピタンスでないと思われる業務が、将来は非常に重要な能力になるかもしれないという点である。「将来コア・コンピタンスを習得し、社内に留めておくことが必要になる付加価値活動」を事前に知るためには、「状況に基づく理論」を習得する必要がある。
<参考文献>
クレイトン・クリステンセン (著), マイケル・ライナー (著) (2003)『イノベーションへの解:利益ある成長に向けて』翔泳社